普通の歯科医師なのか違うのか

太く短くという願いは本当に短い人生になってしまう可能性

 
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5代目歯科医師(高知市開業)
東京医科歯科大学卒業(47期)
同大学院修了
【非常勤講師】
徳島大学
岩手医科大学

今回は東北大学の研究で25年間40000人を追跡した大規模な研究になります。長生きしたいですか?という質問への回答がその人の死亡とどれだけ関連するかを検討しています。なかなか面白い結果です。

How Long Would You Like to Live? A 25-year Prospective Observation of the Association Between Desired Longevity and Mortality
Yuta Yokokawa , Toshimasa Sone , Sanae Matsuyama , Yukai Lu , Yumi Sugawara , Akira Fukao, Ichiro Tsuji 
J Epidemiol. 2023 Sep 5;33(9):464-470. doi: 10.2188/jea.JE20210493. Epub 2022 Sep 30.
PMID: 35527000

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35527000/

J-stage https://www.jstage.jst.go.jp/article/jea/33/9/33_JE20210493/_article/-char/ja

Abstract

Background: Desired longevity represents how strongly people esteem possible extensions of their own lifetime. The association between desired longevity and mortality risk has been reported in only one prospective study, which examined a small sample of older participants. We aimed to examine the hypothesis that desired longevity at middle-age predicted long-term survival.

Methods: In the prospective cohort study, residents aged 40-64 years were asked how long they would like to live and asked to choose one from three options: longer than, as long as, or shorter than the life expectancy. We used Cox proportional hazards model to calculate the hazard ratios (HRs) and 95% confidence intervals (CIs) for all-cause and cause-specific mortality according to the three groups for desired longevity, treating the “longer than” group as the reference. We conducted mediation analysis to investigate the mechanism for the association between desired longevity and mortality.

Results: We recruited 39,902 residents to the study. Risk of all-cause mortality was significantly higher in the “shorter than” group (HR 1.12; 95% CI, 1.04-1.21). The association was independent of sex, age, marital status, education, medical history, and health status. Regarding cause of death, mortality risk of cancer (HR 1.14; 95% CI, 1.00-1.29) and suicide (HR 2.15; 95% CI, 1.37-3.38) were also higher in the “shorter than” group. The unhealthy lifestyle mediated this association with all-cause mortality by 30.4%.

Conclusion: Shorter desired longevity was significantly associated with an increased risk of all-cause mortality, and mortality from cancer and suicide. Lifestyle behaviors particularly mediated this association.

背景:長寿を望むことは、人々が自分自身の寿命が延びる可能性をどれほど強く評価しているかを表しています。希望する寿命と死亡リスクの関連について、過去に高齢者を用いたサンプルサイズが小さい縦断研究が1つあるだけです。本研究の目的は、中年被験者が長寿を望むことは、長い寿命を予知するかどうかを検証することです。

方法:前向きコホート研究で、40~64歳の被験者にどれだけ生きたいかを、平均寿命よりも長く、平均寿命と同じぐらい、平均寿命より短く、の3つから選択してもらいました。Cox比例ハザードモデルを使用し、3群の全死因、特定死因におけるハザード比と95%信頼区間を、平均寿命よりも長く群を基準として算出しました。媒介分析を用いて、希望する寿命と死亡の関連メカニズムを検討しました。

結果:39902名の被験者を集めました。全死因死亡リスクは、短命希望群で有意に上昇しました(HR 1.12 95%信頼区間1.00-1.21)。この関連は、性別、年齢、配偶者の有無、学歴、病歴、健康状態とは無関係でした。特定死因については、がん死亡リスク(HR 1.14 95%信頼区間1.00-1.29)、自殺(HR 2.15 95%信頼区間1.37-3.38)についても短命希望群で有意に上昇しました。不健康な生活スタイルは、全死因死亡との関連を30.4%仲介しました。

結論:長生きを望まない事は、全死因、がん死亡、自殺リスクの上昇と有意に関連しました。ライフスタイルが特にこの関連を仲介しました。

ここからはいつもの通り本文を訳します。誤訳もあり得ますので、気になったら実際の本文をご確認ください

緒言

最近の平均寿命の延伸は、健康寿命の延伸だけでなく、疾患や機能障害の健康ではない期間も含まれています。長寿そのものは全ての人にとって理想的なゴールではなく、人によります。このようなトレンドの変化に伴い、希望する寿命という新たな研究分野が生まれつつあります。

長寿を望むかどうかは、普通は「どれぐらい長生きしたいですか?」「何歳まで生きたいですか?」という質問によりわかります。長寿を望むことは、人々が自分自身の寿命が延びる可能性をどれほど強く評価しているかを表している、という報告があります。いくつかの研究では、様々な条件と被験者で長寿を望むかどうかを計測し、決定因子と結果を検討しています。長寿を望むかどうかは、ポジティブな精神状態、例えば幸福感、楽観、満足度、生きる目的などと関連しています。ポジティブな精神状態と死亡、罹患リスクの低下の関連については前向きコホート研究が複数ありますが、希望する寿命と死亡の関連についてのエビデンスは限定的です。長生きを望まない事が全死因死亡リスクの上昇と関連することを報告した縦断研究が1つだけあります。この研究は、75~90歳の高齢者のスモールサンプル(n=283)で、10年間フォローで年齢、性別、基礎疾患、うつ状態のみ調整しています。そのため、逆の因果関係や未測定の交絡因子の影響は完全には否定できません。

本研究の目的は、中年被験者において長生きを望む事が、可能性のある交絡や基礎疾患と独立して長寿を予知するかどうかを検討する事です。この目的のために、日本の40から64歳の被験者40000人を25年間フォローしました。さらに、希望する寿命と死亡の関連性における健康的なライフスタイルの役割を媒介分析で検討しました。

実験方法

研究デザインと被験者

本研究は、以前詳細を報告した宮城コホート研究に基づいています。1990年6月~8月にかけて14自治体に住む40から64歳51921名(男性25279名、女性26642名)が宮城県の62自治体からランダムに選ばれました。社会人工的な要因、ライフスタイル、健康に関する自己回答式の質問表が自治体から配達されて回収されました。回収率は91.7%(N=47604)でした。

測定項目

希望する寿命と死亡リスクとの関連性に焦点をあてました。希望する寿命は、被験者が生きたい人生の長さと定義しました。被験者に「どれぐらい長く生きたいですか?」と質問表で聞きました。想定回答として、「できるだけ長く生きたいです。」「平均寿命(1990年時点で男性76歳、女性81歳)まで生きれば十分です」「平均寿命よりも短い方がよいです」を設定しました。この回答により、被験者を、長寿希望、平均希望、短命希望の3群に分類しました。

以前の研究から、以下の変数が交絡として可能性があると認識しました。年齢、性別、配偶者の有無(家結婚している、離婚/死別、シングル)、教育(15歳以下、16から18歳、19歳以上)。

希望する寿命と死亡リスクの関連において、以下の変数がメディエーターと考えました。BMI(18.5未満、18.5~24.9、25.0以上)、喫煙歴(ありorなし)、飲酒歴(ありorなし)、睡眠時間(6時間以下、7~8時間、9時間以上)、1日あたりの歩行時間(1時間未満or1時間以上)、朝食を食べる。Alameda County Studyにおいて、これらのライフスタイルは死亡率と関連が認められたので、今回選択しました。

アウトカム

主要アウトカムは、全ての死因と以下の特定死因による死亡です。虚血性心疾患(IHD)、脳卒中、がん、肺炎、事故、自殺。ICD(the International Classification of Diseases)により、死亡理由を分類しました(以下分類の細かい内容が入りますが、割愛します)。我々は循環器疾患を、虚血性心疾患と脳卒中のコンビネーションとして定義しました。

フォローアップ

被験者の死亡と転居を管理するために、宮城県対がん協会、全14市町村の地域保健課、宮城県保健福祉部、東北大学大学院医学系研究科疫学講座で構成される追跡調査委員会が設置されました。委員会は、厚生労働省の許可を得て、各市町村の住民登録台帳と死亡診断書を定期的に確認しました。この確認を通して、1990年6月1日から2015年3月31日までの間の、被験者の死亡または移住を確認しました。研究対象の自治体から移住した場合にはフォローアップが不可能になりました。被験者の1990年6月1日から移住、死亡、またはフォローアップ期間終了のどれかが一番最初に起こった時までの期間を、フォローアップ期間としてカウントしました。

47604名の被験者中、がん、脳卒中、心筋梗塞などの既往がベースライン時に認められた2137名を除外しました。また、長寿を望むかどうか回答しなかった5565名を除外しました。最終的に39902名(男性19443、女性20459)の被験者を解析に使用しました(図1)。ほぼ25年間のフォローアップ期間中に3606名が移住のためロストし、フォローアップ率は91.0%でした。8998名が死亡しました。

統計解析

3群間のベースライン時の特性の違いを、連続変数では分散分析、カテゴリ変数ではχ2検定で検討しました。累積死亡率を推定するために、Kaplan-Meier法を使用しました。Cox比例ハザードモデルを使用し、可能性のある交絡調整後に、3群の全死因、特定死因におけるハザード比と95%信頼区間を、長寿希望群を基準として算出しました。Schoenfeld 残差検定を使用し、比例ハザードの仮定の評価を行いました。

加えて、希望する寿命と死亡の関連性が交絡により変わるかどうかを検討するために、被験者を以下の交絡により階層化しました。年齢(40~49歳、50~59歳、60歳以上)、性別(男、女)、婚姻(結婚している、していない)、教育(15歳以下までの教育、16歳以上の教育あり)。また、過去の高血圧、糖尿病の既往歴により被験者を階層化しました。

さらに、ベースライン時にがん、脳卒中、心筋梗塞の既往があった被験者2137名を含めた後に再度解析を行いました。また、開始2年で死亡した被験者が、ベースライン時にすでに不健康であった可能性を考慮し、除外して再度解析を行いました。

希望する寿命と死亡の関連メカニズムを検討するために、媒介分析を行いました。希望する寿命と死亡の関連へのライフスタイルの媒介効果の割合を評価しました。媒介分析では、まずベースモデルのハザード比と95%信頼区間を計算しました。次に、それぞれのライフスタイルの変数(BMI、喫煙、飲酒、睡眠時間、歩行時間、朝食)をベースモデルに加えて、公開されている%Mediateマクロを用いて媒介効果の割合とその95%信頼区間を算出しました。潜在的なメディエーターそれぞれの効果をテストするために、BaronとKennyのステップアプローチを用いました。また、パス係数(総効果、直接効果、間接効果)を算出するためにロジスティック回帰を推定し、Sobel検定を行いました。年齢と性別を層別化した後、媒介分析を繰り返しました。

結果

「どれだけ長生きしたいですか?」の問いについて、13198名(33.1%)の被験者が「可能な限り長く」、21829名(54.7%)の被験者が「平均寿命ぐらい生きれば十分」、4875名(12.2%)の被験者が「平均寿命より短く」と回答しました。ベースラインの特性について表1に示します。長寿希望群と比較して、短命希望群はより若く、男性ではなく、長い教育期間でした。

性別で分類したライフスタイルに関して、短命希望群は喫煙あり、飲酒あり、短い睡眠時間、歩行しない、朝食抜きの傾向が認められました。

希望する寿命と全死因死亡との関連性を表2に示します。年齢と性別を調整した場合、短命希望群は長寿希望群と比較して、フォローアップ期間中の死亡のハザード比が12%高い結果(HR 1.12 95%信頼区間1.04-1.21)でした。年齢、性別、結婚、教育で調整した場合にも12%高いハザード比が認められました。

希望する寿命と全死因死亡との関連性を年齢、性別、結婚、教育の各サブグループで観察しました(表3)。年齢、性別、結婚、教育の全てで、全死因死亡リスクは短命群で一貫して高い結果を示しましたが、統計的有意差は認めませんでした。

希望する寿命と特定死因死亡の関連を表4に示します。年齢、性別、結婚、教育を調整後に、長寿希望群と比較して、短命希望群のがん死亡リスクは14%(HR 1.14 95%信頼区間1.00-1.29)、自殺リスクは115%(HR 2.15 95%信頼区間1.37-3.38)高い結果となりました。他の死因でも同様にハザードが高くなる傾向でしたが、有意差は認めませんでした。

長寿希望群、平均希望群、短命希望群によるベースライン特性は、がん、脳卒中、心筋梗塞の既往があったとしても違いはありませんでした(追加表2,表3)。

希望する寿命と全死因死亡、特定死因死亡の関連についても傾向に違いはありませんでした(追加表4、表5、表6)。

最初の2年間の全ての死を除外した結果では、短命希望群の全死因死亡リスクが上昇しました(追加表7)。

追加表8は、過去の既往歴で階層化した後の希望する寿命と全死因死亡の関連を示します。本質的には表2と傾向は同じ結果でした。そのため、希望する寿命と死亡リスクの関連は、既往歴、健康状態、因果の逆転で説明できませんでした。

希望する寿命と全死因死亡の関連は、ライフスタイルにより有意に媒介されました(表5)。媒介効果の割合は、喫煙で17.4%、BMIで4.4%、歩行で4.1%、飲酒で3.8%、朝食の有無で3.8%でした。ライフスタイルのトータルの媒介効果は30.4%でした。

感度分析のために、Sobel検定を使用し、ライフスタイルの媒介効果を検証しました(追加図1)。喫煙、飲酒、歩行、朝食が有意な媒介効果を示しました。

がん、脳卒中、心筋梗塞の既往がある被験者を含めた場合、また年齢、性別で階層化した場合にも同様の結果を示しました(追加表9、追加図2)。

希望する寿命とがん死亡、自殺との関連を調べるために媒介分析を用いました。希望する寿命とがん死亡は、ライフスタイルにより有意に媒介されました(追加表10)。媒介効果の割合は、喫煙が15.7%で全体では26.7%でした。

Sobel検定では、希望する寿命とがん死亡との間に、喫煙、飲酒、朝食が有意な媒介効果を示しました(追加図3)。

対照的に、希望する寿命と自殺との関連における媒介効果へのライフスタイルの影響は殆どありませんでした(追加表10)。Sobel検定においても、有意な媒介効果を示したライフスタイルはありませんでした(追加図4)。

考察

39902名の中年日本人を1990年6月から2015年3月まで追跡した今回の前向きコホート研究では、長生きを望まないことは有意に全死亡因子死亡リスク、がんや自殺リスクの上昇と関連しました。希望する寿命と全死因死亡の関連の30.4%を喫煙、肥満、活動不足などの不健康なライフスタイルが媒介していました。我々の知る限り、中年被験者の希望する寿命が25年後の生存を予知した最初の研究です。

希望する寿命と死亡リスクの関連を報告した縦断研究は今までたった1つしかありませんでした。その研究では、長生きを希望することは、低死亡リスクと関連しましたが、対象が75~90歳の高齢者283名と小さい被験者群でした。加えて、一般的に希望する寿命は健康状態に影響されるので、以前の結果は逆の因果の可能性があります。

希望する寿命と死亡との関連は、男性でも女性でも、40代でも60代でも一貫して認められました。階層化解析では、被験者数が減少するにつれて、有意な関連性が消失した可能性があります。希望する寿命と死亡の関連は、健康状態とは無関係と考えられます。というのも、この関連は、追跡開始後2年以内の死亡を除外し、がん、脳卒中、心筋梗塞の既往歴のある参加者を含め、高血圧や糖尿病の既往歴で参加者を層別化した後でも観察されたからです。

直接効果量は本研究では小さかったため、媒介分析の値は限定的かもしれません。しかし、結果は合理的です。ライフスタイル、特に喫煙、が希望する寿命と全死因死亡の関連の一部を説明することができると媒介分析は示唆しています。ライフスタイルは特に希望する寿命とがん死亡を媒介しました。がん死亡リスクは、不健康なライフスタイルを好む短命希望群で有意に上昇しました。しかし、関連の3/4はいまだ説明できません。一方で、希望する寿命と自殺の関連についてはライフスタイルの媒介効果は殆どありませんでした。短命希望は生きる意欲が乏しいので、自殺行動に影響する可能性が示唆されており、過去の研究でも自殺リスクとの関連が指摘されています。これが生涯を通じて持続する効果だったのは驚きでした。

本研究の結果は、ポジティブな心理に関する過去の研究と同じ傾向でした。ポジティブな心理、例えば、幸福、いきがい、幸せ、楽観、楽しみなどは、1)生物学的プロセス、2)社会的プロセス、3)健康行動の3つの機序により、罹患、死亡の低リスクと関連する事が知られています。生物学的プロセスとして、いくつかの説明メカニズムが示唆されました:(a)「ポジティブな心理は、交感神経系の活動を低下させ、副交感神経系の活性化を増加させることによって、人々の病気に対する感受性を変化させる可能性があります」、(b)「コルチゾールやストレスによって誘発されるフィブリノーゲンやIL-6などの炎症因子や凝固因子の上昇を抑制する可能性があります」。ポジティブな心理は社会的な要因、社会活動や人間関係などを高める事ができます。ポジティブな心理は、健康行動、例えば禁煙や健康的な食事パターン、習慣的な運動などと関連することを多くの研究が報告しています。一方で、短命希望は死亡リスクを高める事で知られるネガティブな感情と関連するかもしれません。ネガティブな感情は、ポジティブな心理とは異なる神経経路で支配され、心身の健康状態の悪化と関連しています。希望する寿命と死亡の関連のほぼ30%をライフスタイルの媒介効果が説明することがわかったので、ポジティブな心理、ネガティブな感情の別経路により残りが説明できるのかもしれません。

本研究はいくつかの強さを有しています。我々は、大きな集団を長期間取り使いました。ベースライン時の返答率は91.7%で25年間39902名をフォローアップし、フォローアップ率は91.0%でした。共変量効果をコントロールし、因果の逆転を除外するために階層化、感度分液を行いました。

本研究にはいくつかのlimitationがあります。まず、ベースライン時に、主観的健康観、うつなどのネガティブな感情、ポジティブな心理などの情報を収集しませんでした。第2に、希望する寿命スコアの妥当性、信頼性を検証していません。第3に、直接効果は小さかったので、媒介分析の結果は慎重に解釈するべきです。第4に、希望する寿命はベースライン時の1回のみ調査しており、フォローアップ期間中の変化に関してはデータを有していません。第5に、フォローアップ期間注のライフスタイルの変化についてもデータを有していません。最後に、被験者は全て日本人なので、日本文化の影響があるかもしれません。他の民族、文化圏でのさらなる研究が必要です。

2018年に日本人1500人を対象としたインターネット調査によると、希望する寿命の平均は77.1歳でした。これは、2018年の平均寿命が男性81.1歳、女性87.3歳なので、平均寿命より短いです。この研究では、短命希望は高齢の不安、経済的困難、病気、自主性の喪失、社会的な孤立と孤独などと関連したと示唆しています。希望する寿命が実際の寿命に近づくような社会を実現することは、高齢期の幸福を達成するために極めて重要です。誰もが長生きを望み、長生きを肯定的に捉えられる社会を実現するためには、老後の身体的・社会的・経済的不安を軽減する包括的な政策が必要です。

結論として、日本で行われた前向きコホート研究では、短命希望は有意に全死因死亡リスク、がん、自殺リスクの上昇と相関しました。この関連は部分的にライフスタイルで説明出来ますが、その他の要因はよくわかりません。希望する寿命は社会にとって重要なトピックであり、希望する寿命と死亡の関連性に焦点を当てたより詳細な研究が必要です。

まとめ

今回の被験者の年齢層にぴったりハマる年齢になってしまった私です。以前はあまり長生きしてもなあと思っていましたが、今は平均寿命ぐらい生きればぐらい派です。確かにあまり長生きしてもなあ、と思っていた頃はタバコもかなり吸っていましたし、酒、ギャンブルと色々ライフスタイルが悪かった気がします。今はタバコも吸ってないですし、ギャンブルもしません。お酒も週1で嗜む程度ぐらいしか飲みません。そういった意味でライフスタイルとどれぐらい生きたいかが関連するというのは、自分的にしっくりきました。今回はギャンブルをやるかどうかは項目に含まれてませんが、結構希望する寿命に影響を与えそうな気もします。

今回の日本人のデータをみると、長寿希望群と平均寿命希望群でハザード比にそこまで差がありません。自殺がちょっと高いぐらいです。平均寿命希望群はベースライン時に高血圧、糖尿病の可能性が長寿希望群よりやや高いです。

あまり長生きしたくない、というのは40000人の被験者のうち4800人程度でそこまで多いわけではありませんが、その何となくの思いが25年後には現実になっている可能性がある、というのはなかなか興味深いです。

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