普通の歯科医師なのか違うのか

クロロキン、ヒドロキシクロロキン単独、併用療法は完全否定

 
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5代目歯科医師(高知市開業)
東京医科歯科大学卒業(47期)
同大学院修了
【非常勤講師】
徳島大学
岩手医科大学

Lancetに掲載

根管貼薬、充填材料の論文を読み始めていたのですが、つい先週あたりに書いたブログの延長線上にあたるコメントがLancetに掲載されたようなので、そちらを優先します。Yahooトップにもなったので御覧になった方も多かったかもしれません。

前回のブログは以下のものになります。ニューヨーク近郊での治療にヒドロキシクロロキン単独、ヒドロキシクロロキン+アジスロマイシン、アジスロマイシン単独によるCOVID-19治療は入院時死亡率を改善することはなかったという結果になっています。

ちなみにクロロキンかヒドロキシクロロキンをトランプ大統領が予防投薬しているというニュースもありましたが、これは心臓に結構負担がかかる薬なので、高齢の大統領が予防効果があるかもわからない本来マラリアの治療薬を服用するというのは大変危険ではないかと思いました。

本題

Chloroquine or hydroxychloroquine for COVID-19:why might they be hazardous?
https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(20)31174-0/fulltext

このコメントですが、ベースは以下の論文の結果に基づいてます。

Hydroxychloroquine or chloroquine with or without a macrolide for treatment of COVID-19: a multinational registry analysis
https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(20)31180-6/fulltext

こっちを読めば良かったと思いましたが後の祭りです。

In The Lancet, Mandeep Mehra and colleagues5 report the largest observational study published to date on the effects of chloroquine or hydroxychloroquine, with or without a macrolide, in 96032 hospitalised patients (mean age 53·8 years, 46·3% women) who tested positive for severe acute respiratory syndrome coronavirus 2.Verified data from an international registry comprising 671 hospitals in six continents were used to compare patients with COVID-19 who received chloroquine (n=1868), hydroxychloroquine (n=3016), chloroquine with a macrolide (n=3783), or hydroxychloroquine with a macrolide (n=6221) within 48 h of COVID-19 diagnosis, with 81 144 controls who did not receive these drugs. The primary outcome was in-hospital mortality and the occurrence of de-novo non-sustained or sustained ventricular tachycardia or ventricular fibrillation was also analysed. A Cox proportional hazard model accounting for many confounding variables, including age, sex, ethnicity, omorbidities, other medications, and COVID-19 severity, showed a significant increase in the risk of in-hospital mortality with the four treatment regimens compared with the control group (hazard ratios [HRs] of 1·335 [95% CI 1·223–1·457] to 1·447 [1·368–1·531]). Analyses using propensity score matching by treatment group supported this result. The increased risk of in-hospital mortality was similar in men (1·293 [1·178–1·420] to 1·408 [1·309–1·513]) and women (1·338 [1·169–1·531] to 1·494 [1·334–1·672]).
The incidence of repetitive ventricular arrhythmias ranged from 4·3% to 8·1% in patients treated with a 4-aminoquinoline, compared with 0·3% in the control group (p<0·0001).

新型コロナウイルスによる重症急性呼吸器症候群を認めた96032名を対象とした大規模な調査研究です。平均年齢53.8歳、女性比率46.3%です。

COVIID-19治療として診断後48時間以内に
クロロキン単独 1868名
ヒドロキシクロロキン単独 3016名
クロロキン+アジスロマイシン併用 3883名
ヒドロキシクロロキン+アジスロマイシン併用 6221名
を投与された被験者
とこの治療薬を投薬されなかった81444名との間で院内での死亡率と心室頻拍、心室細動の発生に差があるかどうかを検討しています。

コックス比例ハザードモデルによる分析を行い交絡を調整した結果、コントロール群と比較した病院内での死亡率は投薬群でハザード比1.335~1.447となっています。つまり投薬した方が病院で死亡するリスクが高いということになります。死亡率の上昇に関して男女共同じ様な傾向を認めています。

持続性の心室性不整脈は投薬群では4.3%~8.1%の発生率でコントロール群の0.3%と比較するとかなりの発生率です。

Their results indicate an absence of benefit of 4-aminoquinoline-based treatments in this population and suggest that they could even be harmful.

以上の結果から、このコメントではこのマラリア治療薬によるCOVID-19の治療は効果が無く、むしろ害があると結論づけています。

まとめ

前回の論文ではアジスロマイシン単独療法に対する検討がされていましたが、やはりアジスロマイシンはあくまで付属品という感じなんでしょうか。
文章後半ではさらなる仮説があり、それに関してはテストが必要であるという感じになっています。

どちらにしてもクロロキンにしてもヒドロキシクロロキンにしてもアジスロマイシンにしてもQT時間延長という副作用がありますので、心臓に負担がかかる薬剤ということになります。

実際アジスロマイシンで検索すると心疾患を有する患者には慎重投与という記載があります。
https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00062221

アジスロマイシンを長期投薬している歯科がある・・・という風の噂を聞いたことがありますが、もし本当なら耐性菌の発生や心臓への負担リスクを考えても何を目的として行っているのかよく分からない所です。

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