普通の歯科医師なのか違うのか

ろう義歯人工歯の位置の正確性と保管による移動

 
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5代目歯科医師(高知市開業)
東京医科歯科大学卒業(47期)
同大学院修了
【非常勤講師】
徳島大学
岩手医科大学

いままではCAD/CAMデンチャーの適合精度についての論文を読んできましたが、咬合のずれに関しての論文も読まねば、ということでリファレンスからピックアップした2018年のJPDに掲載されたドイツからの論文です。今回はろう義歯における人工歯の移動、咬合の正確性について検討します。

Accuracy of digitally fabricated trial dentures
Timea Wimmer , Marlis Eichberger , Nina Lümkemann , Bogna Stawarczyk 
J Prosthet Dent. 2018 Jun;119(6):942-947.

PMID: 28969915

Abstract

Statement of problem: Information about the accuracy of digital computer-aided design and computer-aided manufacturing (CAD-CAM) complete dentures is scarce.

Purpose: The purpose of this in vitro study was to assess the reproducibility of the occlusion of wax dentures fabricated with digital steps and the contraction behavior of wax trial dentures processed with combined conventional-digital steps. These were compared with those fabricated completely conventionally in terms of storage duration.

Material and methods: Five sets of maxillary and mandibular wax trial dentures were milled from a gingiva-colored wax blank (Ceramill D-Wax, Amann Girrbach AG) using the Ceramill Motion 2 System (Amann Girrbach), scanned, and matched by best-fit triangulation for each of the 5 denture pairs. Processing deformation was measured and the maximum deviations calculated. A 3-dimensional color-coded mapping of the differences between each pair of dentures was generated. Five sets of maxillary and mandibular wax trial dentures were processed with digital steps, and 5 sets of maxillary and mandibular wax trial dentures were fabricated in the conventional way with the help of a silicone index from a CAM-fabricated wax trial denture to standardize the wax amount. All dentures were scanned immediately after waxing and after 1 week of storage. After surface matching, the deformation was measured, and the milled wax bases were compared with those conventionally fabricated. Data were interpreted using descriptive statistics.

Results: The occlusion of wax trial dentures fabricated with digital steps was not reproducible. The deviations in the maxillary dentures were mostly marginal, with exceptions for single teeth/tooth groups in denture No. 2 (occlusal areas of teeth in second quadrant, second molars) and No. 4 (central incisor and canine in second quadrant inclined to palatal side, and first premolar in first quadrant and first molar in second quadrant displayed greater deviations). Among the mandibular dentures, denture Nos. 4 and 5 the central incisor (fourth quadrant) inclined to the labial side. Additionally, in denture No. 5 the lateral incisor (fourth quadrant) inclined to the lingual side.

Conclusions: In digitally fabricated dentures, the manual placing of the teeth into the denture base sockets can lead to deviations from the planned arrangement. The deviations were greater in the area of the denture bases in the conventionally fabricated dentures compared with those processed with combined conventional-digital steps. The milled wax bases showed better contraction behavior than the conventionally fabricated wax bases.

問題点:CAD/CAMデンチャーの精度に関する情報は不足しています。

目的:今回のin vitroでの研究の目的は、デジタルステップで製作されたろう義歯の咬合の再現性、および従来法とデジタルステップを併用したろう義歯の収縮を評価することです。完全に従来法で製作されたものとの保管期間に関しての比較もしました。

実験方法:Ceramil Motion 2システムを用いて、上下ろう義歯5セットをgingiva-colored wax blankからミリングしました。5つのペアそれぞれをスキャンし、三角測量で最も適合するようにマッチングしました。加工変形を計測し、最大逸脱量を計算しました。3次元カラーマッピングを生成しました。5セットの上下ろう義歯をデジタルステップで製作し、別で5セットのろう義歯を従来法で製作しました。従来法については、デジタルステップで製作したろう義歯のシリコンインデックスを採得し、ワックス量を標準化しました。全てのろう義歯を製作した時点と1週間保管した後でスキャンしました。義歯表面をマッチした後で、変形を計測しました。また、ろう義歯の床部分をミリングと従来法で比較しました。データは記述統計学で解釈しました。

結果:デジタルで製作したろう義歯の咬合には再現性がありませんでした。上顎のずれは、No2(左上第2大臼歯の咬合面)とNo.4(左上中切歯と犬歯が口蓋側に傾斜、右上の小臼歯と左上の第1大臼歯が大きく傾斜)を除いて殆ど僅かでした。下顎では、No4とNo5の右下中切歯が唇側へ傾斜していました。加えて、No5の右下側切歯は舌側へ傾斜していました。

結論:デジタルで製作した義歯では、人工歯を床に徒手的に設置する事が、予定していた排列位置よりもずれを招く可能性があります。義歯床に関しては、従来法の方が、従来法とデジタルを併用したものよりも大きなずれでした。ミリングしたろう義歯は、従来型のろう義歯よりも小さい収縮を示しました。

ここからはいつもの通り本文を適当に抽出して意訳要約します。誤訳もあり得ますので、気になったら実際の本文をご確認ください。

緒言

20年以上前に、全部床義歯補綴の分野にCAD/CAM技術が紹介されました。最近、CAD/CAMによる全部床義歯がかなり増えてきています。CAD/CAMには、全部床義歯製作のワークフローが実装されており、模型または印象のスキャン、または使用中の義歯のスキャンを行う事により3次元形状データを得ます。CAD上で義歯床が設計され、人工歯が排列されます。義歯の形状データがそれから計算されます。デジタルでのアプローチでは、よりシステマティックで正確なデザインとなり、ワックスを扱うつらいステップと時間を削減します。アポイント回数も減らすことができ、義歯の複製も容易になります。義歯の適合の改善も想定されます。

システムによりデジタルの割合が異なります。重合済みレジンブロックから最終義歯をミリングする完全にデジタル化されたコンセプトに加えて、デジタルと従来のステップを組み合わせたアプローチ(図1)も利用可能です。

これらのシステムでは、義歯床のデザインはデジタルで行われます。形状データは人工歯を省いた状態で構築され、人工歯を排列するガイドとなる接合部を伴ったワックスブランクから義歯床をミリングします。人工歯は義歯床にワックスを用いて手作業で植立されます。そうして出来たろう義歯は臨床的に評価することが可能になります。それからは従来型のステップで義歯を完成させます。

完成前のろう義歯試適は、排列を検証し、義歯デザインの潜在的な問題を確認するステップです。審美性、顎間関係、発音なども全て評価可能です。また、患者は前歯部排列の審美性に寄与する事ができます。この段階では、問題を修正したり改良したりすることが可能です。ろう義歯の完成時に咬合離開が起こる事は、歯の位置精度に与える埋没方法の影響も含めて報告されています。人工歯をろう義歯で正確に排列したとしても埋没後に移動します。ワックスは熱膨張係数が大きく、冷却後にストレスが段階的に解放されます。そのため、全部床義歯の咬合の正確さは影響を受けるかもしれません。ろう義歯での人工歯の安定性について扱った論文はあまりありません。

本研究の目的は、デジタルと従来法を組み合わせた製作法と従来法で製作した上下顎ろう義歯の人工歯排列の安定性を調査する事です。第1の仮説は、デジタル法で作ったろう義歯と従来法で作ったろう義歯の咬合は変わらない、とします。第2の仮説は、ろう義歯をデジタルと従来法を組み合わせた製作法と従来法で製作した場合では、保存期間にかかわらず、咬合の寸法安定性が同等になる、とします。

実験方法

本研究の最初のパートでは、デジタルステップで製作したろう義歯の咬合の再現性を検証します。上下顎ろう義歯5セットの義歯床を、以前の研究のデータセットを使用してgingiva-colored wax blankからミリングしました。上下顎の石膏模型を5回複製しました。人工歯はソフトウェアが提案してきたものをワックスを用いて義歯床に設定したくぼみに排列しました。5セットのろう義歯それぞれに同じ人工歯排列を行いました。

ろう義歯を模型に設置し、スキャンパウダーを模型とろう義歯表面に振りかけてからスキャンを行いました。STLデータを重ね合わせ用のソフトウェアにインポートし、興味がある領域以外の部位は削除しました。表面を三角測量で最も適合するようにマッチングしました。上顎模型の1つと下顎模型の1つを参考(基準)としてデザインしました。製作時の変形を測定し、ずれの最大値を計算しました。それぞれの義歯ペアの違いを3Dカラーマッピングとして生成しました。デジタルで製作されたろう義歯の咬合の再現を検証するために10スキャンと40測定が行われました。

第2のパートでは、デジタルと従来法を組み合わせて製作されたろう義歯と従来法で製作したろう義歯の収縮挙動を比較し、保存期間という点で検討しました。上顎模型10個と下顎模型10個を製作しました。ろう義歯5セットはデジタルで製作し、残り5セットは従来法で製作しました。人工歯の排列位置を再現し、従来法で製作したろう義歯のワックス量を同じにするため、ミリングで製作したろう義歯からシリコーンインデックスを採得しました。模型に分離材を塗り、ワックスのベースプレートを加熱して軟化し、模型に適合させました。シリコーンインデックスを用いてワックスを追加していき、正しい高さまで到達したら、人工歯を排列しました。余剰のワックスは除去しました。従来法で製作したろう義歯とミリングで製作し人工歯を排列したろう義歯を、最初のパートで記述した方法でスキャンしました。1回目のスキャンはろう義歯完成後直ぐに行い、2回目は1週間の保存後に行いました。保存は室温23度で模型に装着した状態で行いました。模型は水平を維持しました。1回目と2回目のスキャンを三角測量で最も適合するようにマッチングし、変形を計測しました。ずれの最大値を計算し、3Dカラーマッピングを表示しました。生成された全ての3Dカラーマッピングはカラースケールから記述的に解釈されました。

結果

第1のパートでは、上顎のろう義歯については、-0.66から0.70mmのずれだった右上の犬歯と第1小臼歯を除き、ずれは-0.23から0.25mmの範囲でした(表1)。

No1を基準として比較した場合、主に大臼歯でずれを認めました。特に左上第1大臼歯はマイナスのずれを示しました。プラスのずれは右上第2大臼歯で認められました(図2)。

No2を基準として比較した場合でも、ずれは圧倒的に臼歯部の咬合面に、特に左側に認められました(図3)。

No3を基準として比較した場合、ずれは主にNo2の左側咬合領域に認められました。No4を基準とした場合、全ての義歯において、左側中切歯と犬歯が唇側へずれているのが観察されました。No5を基準とした場合、前述したずれ以外で特殊な部位はありませんでした。

下顎ろう義歯では、上顎とは異なり、主に犬歯周辺に-0.18 から0.11mmのずれを認めました。No4とNo5では、右側中切歯が舌側に傾斜していました。No2を基準とした場合、前歯部周辺に主にずれが認められました。左下第2大臼歯では、咬合面にマイナスのずれが観察されました。No3を基準とした場合、No2、4、5は右下中切歯が唇側にずれているのが観察されました。No4を基準とした場合、前歯部周辺に主にずれが認められました。特にNo1、3の右下中切歯が舌側に傾斜していました。No5を基準とした場合、右下側切歯が唇側に、右下中切歯が舌側に傾斜していました。

第2のパートでは、デジタルと従来法を組み合わせて製作された上顎ろう義歯は1週間の保管で-0.25~0.09mmずれを認めました(表2)。

図4はNo1において、左上中切歯が口蓋側へ移動していることを示して今います。加えて、右上第2大臼歯にもずれを認めます。No4では、右上第2大臼歯が頬側にずれており、咬合面にも影響しています。右上犬歯は口蓋側に傾斜していました。No1、4、5の義歯床では、保管後に遠心領域で0.08~0.10mm程度のずれを認めました。

手作業による上顎ろう義歯では、No1と4では顕著なずれは認められませんでした。No2、3では臼歯部の咬合面と義歯床遠心領域に最大で0.10mmのずれを認めました。

デジタルと従来法を組み合わせて製作された下顎ろう義歯では、No4で義歯床のレトロモラーパッドの領域にずれが観察され、No5では右下第2大臼歯にずれが観察されました。左下第1小臼歯の頬側へのずれも観察されました。

手作業による下顎ろう義歯では、No2の左側人工歯部とレトロモラーパッド領域にずれが認められました(図5)。

No3の右下咬合面、義歯床両方にマイナスのずれが認められました(図6)。No5では、前歯と前歯部の義歯床の両方でずれが認められました。

考察

デジタルで製作されたろう義歯の咬合は再現性がなかったため、第1の仮説は否定されました。同じ人工歯のセットを使用したので、人工歯の加工に起因する形態バリエーションやずれを排除できました。ずれは殆どがかなり小さいものでした。例外として、No2の上顎左側咬合面と第2大臼歯、No4の上顎左側中切歯と犬歯に大きなずれが認められました。下顎では、No4、5の右下中切歯に唇側傾斜が認められました。

第2の仮説は、デジタルと従来法を組み合わせたろう義歯と完全に手作業で製作したろう義歯では、保管期間に関係なく、咬合の寸法安定性は同等である、というものでしたが、否定されました。デジタルと従来法を組み合わせたNo2、3では、大きく移動した左上中切歯と右上第2大臼歯以外では大きくないずれが1週間の保管で認められました。手作業で製作したろう義歯では、5つのうち2つが目立った偏位はありませんでした。他の3つは、デジタルと従来法を組み合わせたろう義歯と比較した所、ずれはそれほど大きくはありませんでしたが、義歯の遠心や口蓋部にも及んでいました。デジタルと従来法を組み合せた下顎ろう義歯では、No1と3において1週間の保管においても明確なずれを認めませんでした。他の2つの義歯では3本の人工歯とレトロモラーパッド領域にわずかなずれを認めました。デジタルで製作した義歯と比較すると、ずれは義歯床まで及んでいました。他の義歯は人工歯周囲、義歯床にずれを認めました。

本研究では、人工歯の許容できる移動範囲を±0.5mmと設定しました。これらは、従来のワークフローでろう義歯の歯の移動を調査した先行研究に従って選択されたものです。5つのろう義歯に人工歯を排列し2、3、7、24時間後にテストしました。歯の移動と時間間隔、タイプ、場所、人工歯材料の間には相関が認められませんでした。4つの時間間隔において、頬側への移動が最も平均移動距離が大きく、陶歯の中切歯で0.86~1.12mmとなりました。

人工歯排列に使用されたワックスは様々なミネラルと天然のワックスで作られています。ワックスは不定形で熱膨張係数がかなり大きいです。ワックスを柔らかくする、成形する、溜める、固めるなどの操作により、応力が発生し、ひずみが生じ、それが解放されると移動が発生することがあります。大きな移動は、特に両顎でそのずれが重なった場合、計画された咬合を変えてしまう可能性があります。本研究で計測されたずれは多くが±0.5mmの許容範囲内でした。前歯部周辺のずれは、多くは臼歯部よりも大きな結果でした。臼歯部の咬合面の移動は、前歯部の同様な移動よりも、切歯指導釘の挙上を招きやすいことを考慮すると、今回のずれは許容範囲といえます。

ベースプレートワックスは冷却すると収縮します。そのため室温は非常に重要な役割をします。エアコンなしで室内が夏期の気温になってしまったら、ワックスがゆがむでしょう。応力によりひずみが生じますが、徐々に解放されます。人工歯の移動は予測できませんが、咬合に影響を与えるかもしれません。もし修正が必要なら、人工歯の解剖学的構造が破壊される可能性があります。選択したワックスの凝固温度は84度でした。融点の高いワックスは室温では液化せず、ゆがみもあまり起こりません。このワックスの使用が今回歪みが小さかった原因かもしれません。

ワックスのタイプが与える影響について検討した過去の研究では異なる結果を示しました。融点が異なる2つのワックスを選択しましたが、エクストラハードのベースプレートワックスは、ミディアムソフトのワックスよりも人工歯の位置を保持することができませんでした。保管や輸送状態などの外的要因が、2つのワックスの物性に関する違いを隠しているかもしれません。ミリングろう義歯用ワックスの使用はひずみを減少し、臨床的に適合がよくなる可能性があります。歯の移動に影響するさらなる要因として、ワックスの操作方法、ろう義歯を技工所から歯科医院へ、そして歯科医院から技工所へ輸送する状態(温度、時間)、義歯完成前の保存状態などがあります。工業的にミリングされた加工前のワックスブランクでは冷却時の収縮率は低いです。歯科用ワックスの影響は検討されてきました。ある研究では、固定された基準点を設定し、人工歯排列後の4つの時間間隔で上顎ろう義歯を計測しました。全てのろう義歯で人工歯は移動を示しました。方向と時間に相関を認めませんでした。他の研究では、ベースプレートワックスが歯の位置維持に与える影響を比較したものがあります。結果として、歯の移動に有意差はありませんでした。さらに他の研究では、2つの異なるベースプレートワックスが咬合に与える影響について検討しました。技工所でのワックス操作後と試適後に計測を行いました。人工歯の移動は水平、垂直的に計測されました。2つのワックス間で差は認められませんでした。デジタルで製作する全部床義歯のワックス操作の影響について検討した論文は、筆者が知る限りありません。

 本研究のlimitationとしては、記述評価えだり、統計解析ではないということです。ろう義歯の精度と、STLデータセットと比較した従来型による義歯の完成を評価するにはさらなる研究が必要です。

結論

1 デジタルで製作した義歯では、ミリングした義歯床に設定したくぼみに手作業で人工歯を排列する際に、予定した排列とはずれてしまう可能性があります。

2 従来法で制作した義歯は、従来法とデジタルを組み合わせた義歯に比べ、義歯床周囲のずれが大きくなりました。

3 ミリングしたワックス床は従来法で製作したものよりも収縮が少ない結果を示しました。

まとめ

なかなか英語がクセがあって、読むのに苦戦しました。今回のろう義歯はCAD上で人工歯排列のためのくぼみを義歯床部分に設定してミリング→人工歯を手作業でつけています。手作業でつけているので、当然ずれは発生するでしょう。第1パートの実験の意味合いというのがイマイチよく理解できませんでした。人工歯のずれが特定の歯種に集中したのも、付け方のクセなども考えられるわけです。第2パートでの実験方法も自分にはこの文章だけでは、いまいちどういうことをしてるのかが理解できなかったです。

今現在は、ろう義歯も完成義歯も義歯床と人工歯を同時に一塊でミリングする方法があります。詳細は以前書いたCAD/CAMによる全部床義歯製作法とその物性に関するシステマティックレビューを読んでください。ろう義歯は人工歯に合わせると真っ白になりますし、義歯床に合わせるとピンクになりますが、こういった咬合のずれや手作業でつける労力を考えると一塊でミリングした方が楽かなと思います。ただし、咬合がずれていた場合とか排列の修正が必要になった場合は面倒ですが・・・。まあ3Dプリンタで試適用義歯を打ち出して修正するよりはマシかもしれません。

この論文で参考になったのはワックス上に排列された人工歯は1週間経つと動いている可能性がある、ということです。自分で排列することが多いので、試適は排列終了から短時間で行う事が多いですが、それが正解のようですし、試適が終わったら問題なければさっさと重合したほうが良さそうです。まあ埋没や塡入、重合時のエラーもあるので、試適後放置した人工歯の移動がどれだけ影響するかはわかりません。

3Dプリンタでうちだした試適用義歯とワックスミリングしたろう義歯の精度の違いなんかを知りたいな、と思いました。そういう論文ないか探してみましょう。なければ、別の咬合のズレに関する論文を探します。

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【非常勤講師】
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