論文不正で撤回
前回読んだ論文が撤回に
前回マラリア治療薬によるCOVID-19治療は院内死亡率を改善するどころか死亡リスクを上昇させるので使用しない方がいい、という論文をよみました。
しかし、実はこの論文を含む複数の論文にデータねつ造があったのではないかという疑惑が起こり大問題となっています。
WHO、コロナ候補薬の治験再開 停止根拠の論文に疑義https://www.asahi.com/articles/ASN643PM9N63UHBI048.html?iref=com_latestnews_04
サージスフィア社のデータが原因?
サージスフィア社のCEOであるサパン氏が共著者としてエントリーしている論文が今回対象になっています。どうも実際のデータと論文のデータに差異があるということがわかったことで論文が撤回されています。
撤回になった論文
Hydroxychloroquine or chloroquine with or without a macrolide for treatment of COVID-19: a multinational registry analysis
https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(20)31180-6/fulltext
Cardiovascular Disease, Drug Therapy, and Mortality in Covid-19
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2007621
WHOが治験を再開するようなので、最終的にはその結果待ちというところですが、NEJMには新しくヒドロキシクロロキンをダブルブラインドで投与して効果がなかったという論文がアップされています。
A Randomized Trial of Hydroxychloroquine as Postexposure Prophylaxis for Covid-19
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2016638?query=featured_home
結果としてどうなるかの決着にはまだ時間がかかるようです。