普通の歯科医師なのか違うのか

義歯洗浄剤はポリアミドの表面性状、硬さを変化させる

 
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5代目歯科医師(高知市開業)
東京医科歯科大学卒業(47期)
同大学院修了
【非常勤講師】
徳島大学
岩手医科大学

ノンクラスプデンチャーへの義歯洗浄剤の影響を調べる必要が出たのですが、論文が少なくてまず医中誌で引っかかったこの論文を読みます。10年前のDental Material Journalの論文でトルコの先生方が書いてます。

Comparative effects of denture cleansers on physical properties of polyamide and polymethyl methacrylate base polymers
Rukiye Durkan , Elif Aydoğan Ayaz, Bora Bagis, Ayhan Gurbuz, Nilgun Ozturk, Fatih Mehmet Korkmaz
Dent Mater J. 2013;32(3):367-75. doi: 10.4012/dmj.2012-110.

PMID: 23718995
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23718995/

Abstract

The purpose of this study was to evaluate the effect of denture cleansers on the surface roughness, hardness and color stability of two polyamides (Valpast, Deflex), a butadiene styrene copolymer PMMA (Rodex), and PMMA polymer as a control group (Paladent). Each material was divided into 5 sub-groups (n=7) as two control and three test groups. Three test groups were immersed for 20 days in commercially available three denture cleansers (CO-Corega, PR-Protefix, VA-Valclean). Two-way analysis of variance and Tukey’s post hoc HSD test were used to evaluate surface roughness and hardness data (α=0.05). ΔE, ΔL*, Δa*and Δb* mean values were used for ANOVA, Tamhane test was used as post hoc. Polyamides showed low hardness and high roughness before and after immersion. A significant decrease in hardness was observed for all resins except Rodex after immersion (p<0.05). The denture cleansers changed the roughness, hardness and color of some resins.

本研究の目的は、2種類のポリアミド(バルプラスト、デフレックス)、ブタジエン・スチレン共重合体PMMA(ロデックス)、コントロール群としてPMMA(パラデント)に対して、義歯洗浄剤が表面粗さ、硬さ、色調安定性に与える影響を検討する事です。
それぞれの材料を5つのサブグループ(n=7)にわけました。2つがコントロールで3つがテスト群です。テスト群は3種類の洗浄剤(コレガ、プロテフィックス、バルクリーン)に20日間浸漬しました。表面粗さと硬さの評価には二元配置分散分析とTukeyの多重比較を用いました。ΔE、ΔL、ΔaおよびΔb*の平均値を一元配置分散分析し、Tamhaneの多重比較を行いました。
ポリアミドは浸漬後に硬さが減少し、表面が粗くなりました。ロデックスを除いた全てのレジンで浸漬後に有意な硬さの減少が認められました。義歯洗浄剤はいくつかのレジンの硬さ、表面粗さ、色調を変化させました。

ここからはいつもの通り本文を適当に抽出して意訳要約します。誤訳もあり得ますので、気になったら実際の本文をご確認ください

緒言

固定式義歯、可撤式部分床義歯を使っている患者において、義歯の衛生状態と口腔粘膜の維持は非常に重要です。義歯洗浄剤は適切なデンチャープラークコントロールの提供、口臭の防止、食品や飲料による着色の除去、Cadndia albicans、Candida glabrataやその他の微生物の除去、歯石の溶解、義歯性口内炎の予防などを目的として使用されます。特に超高齢でAlzheimer型認知症、認知症、運動能力の低い患者においては、義歯洗浄剤を使用することが義歯の衛生を保つ唯一の手段となるかもしれません。義歯洗浄剤は、含有されるものにより酵素系、次亜塩素酸系、酵素入り中性過酸化物、酸系、消毒剤、アルカリ過酸化物などに分類されます。現在市販されているもので、最も一般的なのがアルカリ過酸化物に浸漬する方法です。Gornitskyらは、過ホウ酸塩ベースの義歯洗浄剤が義歯に付着した微生物に化学的に作用し、抗菌活性を示すことを報告しました。McCabeらは、これらの溶液が義歯の衛生に役立ち、研磨粒子を含まないことを確認しました。Fernandesら)は、この溶液がアクリルおよびポリアミド義歯床用レジンにおいて、カンジダバイオフィルムの除去に有効であることを報告しています。

近年、新世代の熱可塑性ポリアミドとブタジエン・スチレン共重合体PMMAが、PMMAレジンよりも広く使用されるようになっています。

ポリアミドレジンは1950年に義歯床用材料として開発されました。しかし、このレジンに対する研究は殆ど行われませんでした。Hargreavesは実験室段階でのポリアミドの使用に最適な特性を報告しています。この材料は柔軟で半柔軟な構造を持ち、吸水性と溶解性が低く、射出成形が可能で、アレルギー性モノマーを含まず、生体適合性があり、密度が低いことが報告されています。これらのレジンの最も重要な利点は高い光透過性により、歯肉色を反映することです。すなわち、審美性が高く、気泡が少ない、変色や臭いの発生もなく、耐衝撃性にも優れています。アクリル樹脂と比較すると剛性は低いものの、非常にタフな特性を持っています。

繊維性の構造によるいくつかの重要な欠点もあります。スムースにするのが難しく、研磨が困難であり、微生物の汚染を招く可能性があります。また人工歯との機械的な維持が必要です。ポリアミド系熱可塑性樹脂の臨床使用における正確な適応症と禁忌症例は明らかにされていません。しかし、記載された特性を考慮すると、MMAアレルギーの患者、ブラキシズムの症例、アンダーカットのある患者、薄い粘膜や過剰な骨吸収のある患者、義歯にかかる力に患者が耐えられない症例、インプラント後の仮義歯の製作、特に運動能力の低い超高齢の患者に適している可能性があります。

高衝撃性アクリルは高い弾性率と衝撃強度を有します。ゴム強化アクリルは、ポリメタクリル酸メチルのマトリックス中に分散された、メタクリル酸メチルでグラフト化されたブタジエン・スチレンゴム物質を含んでいます。ゴム含有物は亀裂の伝播を防ぐ役割を果たします。様々な義歯床用樹脂が入手可能であり、しばしば高強度材料として販売されています。これらの材料は、従来の熱硬化型アクリルレジンに比べて高価です。しかし、これらの材料に関する現在の懸念は、PMMAベースのレジンと比較した研究が少ないため、高衝撃性アクリルおよびポリアミドレジンの特性に関する科学的根拠が不十分であることです。

以前の研究では、PMMAレジンの表面性状と色調安定性に対する義歯洗浄剤の影響を検討しました。表面粗さと表面硬さの両方によって評価される表面品質は、樹脂材料の成分の有効性に関する最も重要な要因の一つです。しかし、義歯洗浄剤がポリアミドと高衝撃性レジンの表面性状や色調安定性に与える影響について殆ど研究がありません。

本研究の目的は、2種類のポリアミド、1種類のブタジエン・スチレン共重合体PMMA、1種類のPMMAに対して3種類の入手可能な義歯洗浄剤が与える影響を評価することです。

実験方法

2種類のポリアミドと1醜類の高衝撃性ポリスチレン共重合PMMAレジン、コントロールとして通常のPMMAレジンを用いました(図1)。歯肉シェードは全てPINKとしましたが、各材料はそれぞれのシェードシステムを有していました。今回用いた全ての材料は全てタイプ3の義歯床用レジンでした。

各試料は、厚さ3mm、直径20mmに整形されました。重合方法はメーカー指示に従い行いました(詳細は本文に記載されていますが、ブログではカットします)。表面は研磨を行い初期の粗さを統一しています。

義歯洗浄剤は50度のお湯に15分浸漬を20日間繰り返しました。他の時間は蒸留水に浸漬しています。コントロール群として、何も浸漬しなかった群と、20日間室温で蒸留水浸漬群を設定しました(表2)。

表面粗さ(Ra)はプロフィロメータ(段差計)を用いて0.4gf、5秒で測定しました。データ解像度は0.01μmです。浸漬前に表面粗さを標準化しました。トータルで140サンプルで420測定を行いました。

ビッカース硬さは、ビッカース硬さ試験機を用いて100gf、30秒で測定しました。トータルで140サンプルで420測定を行いました。

色調はポータブルの比色計を用いて測定しました。色の変化はLab色空間をもちいて検討しました。Lは明度、aは赤ー緑、bは黄ー青です。試料を3箇所計測し平均値を計測値としました。各群での浸漬前後のLab値の違いは、コントロール群の重合後のデータと比較しました。色差(ΔE)はΔE=[(ΔL*)2+(Δa*)2+(Δb*2)]1/2、ΔL*=L1−L0、Δa*=a1−a0、Δb*=b1−b0、0は重合直後、浸漬前、1は20日間浸漬後の値で計算しました。色差(ΔE)を臨床環境と関連付けるため、色データはNBS単位により、NBS単位=ΔE×0.92の式で定量化されました。

電子顕微鏡画像(SEM)で浸漬後の表面性状を観察しました。

統計解析

ビッカース硬さ、表面粗さは2元配置分散分析を行いました。群間、群内で有意差が認められた場合、Tukeyの多重比較を行いました。

色変化については、ΔE、ΔL*、Δa*、Δb*において一元配置分散分析を行いました。各浸漬条件による統計的に有意な色変化を比較するために、Rodex群のΔEとΔL*についてはTamhane検定をpost hocとして用いました。

有意差は全て5%としました。

結果

表面粗さ

図1に結果を示します。2つのコントロール群の間には有意差は認められませんでした。浸漬方法を考慮しなければ、RdxとPld以外の全ての群で統計的有意差を認めました。RdxとPldの表面粗さは他の2種類のレジンよりもかなり小さい結果でした。最も表面粗さが大きかったのはVlpでした。

浸漬方法の違いでは、各義歯洗浄剤群では有意差はありませんでした。Rdxの表面粗さは義歯洗浄剤に浸漬しても変化はありませんでしたが、Pld、Dfl、Vlpは全ての洗浄剤で表面粗さが増加しました。

ビッカース硬さ

ビッカース硬さの平均値の結果を表3に示します。2つのコントロール群の間には有意差はありませんでした。RdxとPld以外のレジンで統計的有意差を認めました。RdxとPldは他の2つのレジンよりも大きいビッカース硬さを示しました。最も小さいビッカース硬さを示したのはVlpでした。

浸漬方法の違いでは、各義歯洗浄剤群で有意差を認めませんでした。Rdxは洗浄剤使用でも変化を認めませんでしたが、他の3つは洗浄剤使用でビッカース硬さが減少しました。

色調安定性

洗浄剤による変色の比較によると、Dfl、Vlp、Pld群ではΔE、ΔL*、Δa*、Δb*について統計的有意差を認めませんでした。Rdx群のΔa*、Δb*についても統計的有意差を認めませんでした。RdxのΔEはPR浸漬でコントロールと統計的な有意差を認めましたが、CO、PR、VA間では有意差を認めませんでした。Tamhane検定では、RdxのΔL*はPR浸漬後にコントロールよりも小さい値になりましたが、正のΔL*はわずかに明るくなった事を意味します。

RdxのNBS単位では、各群で5.42、2.21、0.49、1.25でした。全ての群でだいたい同じ結果でslightと分類されました。Pld群は全てslightと分類されました(図6)。

SEM

最も表面荒れが小さかったのは共重合体群で、この群(Rdx)は浸漬前後で変化を認めませんでした。図2は表面荒れが小さく、洗浄剤浸漬後にも同じ様な表面性状であることを示しています。Rdx群以外では、浸漬後に表面が荒れる傾向を認めました。図3は最も表面荒れが目立ったVlp群で、浸漬後に表面荒れが荒れた事を示しています。

考察

患者による実際の義歯洗浄を考慮して、毎日50度の温水に15分浸漬を20日間行いました。義歯洗浄剤は業者指示に従い準備されました。義歯洗浄剤は義歯床用材料の表面粗さ、硬さ、色調安定性に影響しない、という仮説は否定されました。

Rdxの表面粗さは義歯洗浄剤により影響を受けませんでした。架橋構造による強い表面性状を有しているからかもしれません。Vlpは元々表面荒れが大きく、洗浄剤浸漬でさらに表面が荒れました。ポリアミドと従来型のアクリルレジンは20日間の浸漬により、洗浄剤に関係なく表面荒れが起こりました。

レジン試料に粗さの増加がみとめられた説明の1つは、消毒手順中に使用された高い水温と酸素解放溶液が、樹脂の表面に変化をもたらしたかもしれないということです。今回、レジン試料は全て研磨過程で表面粗さを標準化しました。Bollenらは、使用した研磨剤に依存したアクリルレジンの表面粗さを報告しています。共重合体と従来のPMMAレジンはよい研磨性を有していますが、ポリアミドは繊維性、セミフレキシブル、表面硬さが低い材料です。

SEMからも、ポリアミドレジンはコントロール群よりも表面が粗い事が確認出来ました。研磨作業は極めて困難です。ポリアミドの表面構造はさらなる研究において、硬化後の材料の含有量と分布を分析する必要があります。

Peraciniらは、アクリルレジンを6日間アルカリ過酸化物に浸漬し表面粗さが増加したと報告しています。この知見は本研究と一致します。

本研究は過ホウ酸ナトリウム浸漬でアクリルレジンの表面粗さが増加したMachadoらの研究とも一致します。本研究で使用した3種類の義歯洗浄剤はほぼ同じ効果を示しました。基礎構造が同じ溶解液のため、同じ効果が起こったと考えられます。SEMの結果は表面粗さの値と一致します。

表面粗さは、材料の寿命とプラーク形成への抵抗に影響する重要な要素です。表面粗さは材料の摩耗性と関連します。

いくつかのin vivoの研究では、粗い表面粗さはスムーズな面と比較して微生物の集積を容易にし、バイオフィルム形成が高いレベルが起こると示唆しています。粗い表面は着色抵抗、口腔粘膜の健康、患者の快適性、審美性、義歯の維持力などにも直接的、間接的に影響します。本研究では、Rdxの表面粗さは義歯洗浄過程で影響を受けませんでした。

本研究ではコントロール群であるPMMAレジンは、ポリアミドよりも硬い事がわかりました。これは構造の違いによるものです。業者によると、ポリアミドは繊維が多く含まれており、弾性率が小さい材料です。

連続浸漬後には、ポリアミドとPMMAの硬さは、義歯洗浄剤の種類に関わらず減少しました。RDXはブタジエン・スチレン共重合構造で長時間重合され、硬い材料です。このレジンをアルカリ過酸化物に浸漬した際の硬さに関する研究は今までないので比較できません。そのため、さらなる研究が必要です。しかし、硬さ試験により、高衝撃性レジンはかなりの圧痕による応力に耐えることが示唆され、義歯洗浄剤の使用に十分な耐久性があることを示していると考えることができます。

Pintoらはポリアミドはアクリルレジンよりも機械的な抵抗力が高いと報告しています。本研究では、ポリアミドの硬さはコントロール群より小さいですが、洗浄剤に浸漬した際の硬さの低下はPMMAよりも小さくなりました。

Neppelenbroekら、Machadoらは過ホウ酸ナトリウム浸漬でアクリルレジンの硬さが有意に低下すると報告しています。同様に本研究でも、PMMAの硬さは低下しました。硬さは、重合反応の継続、モノマーの放出、酸素との結合によるこれらのモノマーと遊離活性ラジカルとの組み合わせによって低下する可能性があります。

異なる構造を有する別のアルカリ過酸化物を選択すると異なる影響があるかもしれません。しかし、硬さに関しては違いがありませんでした。アルカリ過酸化物を使用すると、過酸化物がフリーラジカルに分解され、レジンが洗浄されます。このフリーラジカルは、還元と酸化の過程を経て、大きな分子を小さな分子に変化させます。

温水への浸漬は、過酸化水素もあたためられ、構造中の酸素が分解されて遊離酸素ラジカルとなり、水分子が除去されます。酸素は、ポリマーの鎖間力を損傷することによって、レジン表面の化学的軟化を引き起こす可能性があります。Nikawaらは、強アルカリ溶液中の高い過酸化物含量と酸素濃度が義歯床用材料の損傷因子であると報告してます。本研究では,3種類の義歯洗浄剤にそれぞれ50℃で15分間浸漬しました。温度上昇はこれらの洗浄剤の活性化剤と考えられます。

義歯洗浄剤は、義歯床用材料の色調安定性に影響するかもしれない、という仮説は承認されました。本研究では、Lab色空間とNBS単位を用いて色調変化を解析しました。Rdxを除き、20日間義歯洗浄剤に浸漬した前後のΔEに有意差を認めませんでした。これは義歯洗浄剤への浸漬時間が1日の中で短く、残りは蒸留水に浸漬した事が原因かもしれません。しかし、Rdxの色値は浸漬により変化しました。

過ホウ酸塩の義歯洗浄剤が加熱重合型レジンを有意に漂白すると報告したÜnlüらとPeraciniらと、本研究は一致しました。しかし、SatoらはPMMAレジンに異なる3種類の洗浄剤を使用しても色調変化はなかったと報告しています。

Hongらは、アルカリ過酸化物に365日浸漬した後では、アクリルレジンの変色レベルが高度だったと報告しています。本研究では20日の浸漬でした。洗浄剤の長期的な効果はより強いのかもしれません。

今回テストした材料の殆どのΔL*、Δa*、Δb*で洗浄剤浸漬後の統計的有意差を認めませんでした。RdxをPR浸漬した際のΔL*のみで有意差を認めました。洗浄剤がレジンのΔa*とΔb*に与える影響は、蒸留水を含む他の群とほぼ同様である可能性で説明できるかもしれません。また、PR浸漬後の共重合レジンの明度はコントロール群と比較して増加することでも説明できるかもしれません。

浸漬後の脱色はどれも同じ傾向でわずかなものでした。CO浸漬後のRdx、COとPR浸漬後のDfl、CO浸漬後のVlpは目立った変化に分類されました。

NBS単位の他に、材料の変色を評価する文献には∆E値によるものがあり、O’Brienは臨床研究に基づき、∆E値が3.5単位以下は許容できないと報告しています。RdxのコントロールWI20群のみが限界値を超えています

さらに、さまざまな義歯洗浄液を使用して、より長期間の研究を行うことが可能です。異なるポリマー構造を持つ義歯床材料の化学的および熱的特性を、義歯洗浄剤の後に調べる事ができます。

結論

1 過ホウ酸ナトリウム含有の3種類の義歯洗浄剤により、共重合PMMA(Rdx)以外のレジン表面の荒れは酷くなりました。しかし、義歯洗浄剤間には違いは認められませんでした。

2 最も表面荒れが認められたのはバルプラストでした。PMMAレジンでは違いは認められませんでした。

3 ポリアミドは、義歯浸漬前も後もビッカース硬さが小さい値を示しました。

4 共重合PMMA(Rdx)をプロテフィックス浸漬したものは明度がわずかに増加しました。

まとめ

とりあえず、ノンクラスプデンチャーに使用されるポリアミドは義歯洗浄剤により影響を受ける事は確かなようです。明らかに通常の義歯床用レジンよりも表面が受ける影響は大きい値になっています。考察では酸化による影響を結構フィーチャーしていて、過ホウ酸塩などが悪さをするように記載されています。ただし、実際の製品でノンクラスプデンチャー対応を謳う商品にも過ホウ酸塩は含まれているもものがあり、ここら辺はどう解釈すればよいのかわからないところです。極力影響を避けるのなら過酸化物系を避けた方がよいのかな?と思いました。純粋な酵素系や二酸化チタン系とかですかね。

今回最も表面荒れを起こしたバルプラストは確か専用の洗浄剤があったなと思って調べたら、New V-パワークリーンという他のノンクラスプやマウスピースなどにも使える材料になってました。ただし、簡単に調べたのですが、成分がよくわかりませんでした。

過酸化物系の義歯洗浄剤のある程度の種類はノンクラスプデンチャーの義歯床用材料に悪影響を与えるかもしれない、と考えた方がよいかもしれません。

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